日本セヴラック協会

セヴラックについて

マリ=ジョゼフ=アレクサンドル・デオダ・ド・セヴラック(Marie-Joseph-Alexandre Déodat de Séverac, 1872年7月20日 オート=ガロンヌ県サン=フェリックス=ド=カラマン – 1921年3月24日 ピレネー=オリアンタル県セレ)はフランスの作曲家で、郷里ラングドックの伝統音楽に深く根付いた作品を創作し、クロード・ドビュッシーから「良い香りのする音楽」「土の薫りのする素敵な音楽」と好意的に評されました。

【生涯と作風】
セヴラックはスペイン貴族に連なる旧家に生まれました。地元のトゥールーズを去ってパリに行き、パリ音楽院に対抗して設立されたスコラ・カントルムに入学して、ヴァンサン・ダンディとアルベリク・マニャールに作曲を、アレクサンドル・ギルマンにオルガンを師事しました。そしてイサーク・アルベニスの助手を務めるとともにその個人指導を受けました。その際、アルベニスの未完の絶筆《ナバーラ Navarra》を補筆しています。アルベニスの死後、南仏に戻りました。

歌曲や合唱曲の作品で知られていますが、ポール・ヴェルレーヌやシャルル・ボードレールによるフランス語の詩のほかに、プロヴァンス語やカタルーニャ語の詩にも曲付けをしました。より個性的なピアノ独奏曲も高い評価を勝ち得ており、曲や曲集は、《ラングドック地方にて En Languedoc 》や《日向で水浴びをする女たち Baigneuses au soleil 》というように、情景喚起的な題名が添えられています。人気のある作品の例は《古いオルゴールが聞こえるとき Ou l’on entend une vieille boite à musique 》ですが、傑作は、ラングドックの郷里色ゆたかな組曲《セルダーニャ Cerdaña》(1904年~1911年)です。歌劇《風車の心 Le Cœur du moulin 》は1909年12月8日にパリのオペラ=コミック座で、《ヘリオガバル Héliogabale 》は1910年にベジエで初演されています。